「私には不思議な記憶がある。
私が二つにわかれたがっている。
そしてわかれていく。
その時の感覚は、今もありありと思い出せる。
たとえ二つにわかれても、四つにわかれても
大丈夫なのだと私は知っていた。
わかれたものは、それぞれが光を持ち
それぞれが中心のところで輝いている。
どんなにわかれても、私はバラバラに
ならず、みんなひとつで大丈夫だと
その時の私は知っており幸せだった。
時々、私はふとその記憶につつまれる。
細胞ひとつひとつがその記憶を
覚えているように、言葉で言えない
不思議な感覚につつまれる。
そしてその時に、必ず景色の中に、
銀河の雫のようなキラキラした
雪が舞う感じがする。」