ダライ・ラマ法王14世のメッセージ

カルガリーでのダライ・ラマ法王14世の講演より抜粋

教育は大切なものですが、主に脳を発達させる
もので一つの道具に過ぎません
またこの教育がよい方向へ使われるか、悪い方向へ
使われるかは人間次第です

また教育には周囲の人とのコミュニティ意識と
社会的責任を育てる役割もあります
これには『思いやり』が必要です

周囲の人々を仲間ととらえ、仲間の幸せが
究極的には自分の幸せとなる心です
私たちは社会的生きものであり、現代では
相互依存が深まっています


このような状況で必要なのは精神的豊かさで
あり、それが教育と結びついて発展していくのです

私は世界中の国を訪れる中で、高い学歴を持ち
高い地位についていても、人生に幸せを感じて
いない人達を見てきました


現代教育だけでは不十分であり、大切なことは
心の内側にある精神的な道徳心にもっと
目を向けることだと感じました

精神的なものと言っても、宗教とは無関係です
私がお伝えしているのは、人類愛や慈悲の心
という普遍的な価値のことです

それは生まれつき私たちに備わっている
ものです

私はひとりの人間に過ぎません
人類60億人のうちの一人でしかないのです
この次元で考えれば人類に違いなどありません

国籍・宗教・収入・学歴・肌の色 こういうものは
二次的なものです
根本的な次元では私たちは皆同じなのです


さらに重要なことは60億人全員が苦しみを
乗り越え、幸福で喜びあふれる人生を
手にする権利があるということです

人類全体が平和で喜びにあふれ、怖れから
解放されれば全員が多大な恩恵を受けられるのです


私が最も力を注いでいるのは心の平和と幸福に
繋がる人間的な価値の推進です
これを通し円満な家庭やコミュニティを作り、
より幸福な成長やより幸福な人類の発展と
繋がるのです