*トノヲシテ瀬織津姫さま言霊
リメンバリングより抜粋
ミヤビというものは、尊い者しか発する
ことができません。
ミヤビを感じる者も、感じさせることが
できる者も、全てが整っていないと、
感じることはできないものでございます。
それは子を慈しみ、自らの乳を我が子に
含ませる母の胸元から立ち上る、
えも言われ得ぬ安心感と、ホノカな
匂いのような、目に見えない慈しみや
慈悲の感覚、と申し上げたいと思います。
ミヤビは生まれ持ったものでございます
故、それが発揮できる環境もめでますし、
見えるもの、見えないもの、空氣、雰囲氣、
物事が整っていくながれ、人の動作の
本質的な美しさをわかり、かもし出す
ことができる、全てのものに対しての
賞賛を具現したもの、のことをミヤビと
申します。
私はそのように捉えております。
たとえば、シモテル姫様の琴の音は、
暮れゆく日の光と織りなして、
人の心を洗います。
この音に、山から吹く風の音が絡まるか、
波の寄せては返す音が絡まるかで、
人の心のミヤビが反応いたします。
ミヤビは、発する者と受けとる者の
双方が織り成す綾織のようで
ございます。